月一企画、「宮西達也の絵本」からティラノサウルスシリーズ第6弾をお届けします。
「
わたしはあなたをあいしています」
宮西達也 作・絵 ポプラ社
ティラノサウルスが住む谷に雪が降ってきました。
お腹が減ったけど食べ物がありません。
そんな時、タペヤラが
「みどりのたににうまそうなやつがいる」
と、ティラノサウルスを誘います。
何日も何日も、昼も夜も見渡す限り真っ白な世界を歩き続けました。
何も食べていないティラノサウルスは疲れ果てて倒れてしまいました。
ティラノサウルスは自分を置いて先に行けと言って目を閉じました。
するとタペヤラは
「うまそうなやつはあんたのことだ」とガブリッ!
ティラノサウルスはだまされていたのです。それでも最後の力を振り絞って立ち上がりしっぽでタペヤラを弾き飛ばしました。
立ち上がると向こうに緑の森が見えました。
そして、おいしそうな3匹のホマロケファレを見つけ、
「ムシャムシャくってやる」
と口の中に入れました。
口の中でホマロケファレは
「ムシャムシャー」「ムシャムシャー」と嬉しそうに手をたたいているのです。
なんとホマロケファレのことばで『ムシャムシャ』は『ともだち』という意味だったのです。
でも、ティラノサウルスは分からず、口の中で嬉しそうに飛び跳ねるので飲み込めず、苦しくなって倒れ、口から3匹が出てきました。
「ノタシウドー?」
「ブウヨジイダー?」
「ノイタイカコドー?」
と心配そうに声をかけますが、ティラノサウルスにはさっぱり分かりません。
言葉が分からなくてもお腹がグーッとなったので、たくさんの食べ物を抱えてきて、ティラノサウルスに食べさせてあげます。
言葉は通じなくても3匹の心の優しさはティラノサウルスにも分かりました。
ここから言葉が違うティラノサウルスとホマロケファレのふれあいが始まります。
ティラノサウルスは三匹の事をもった知りたくて言葉を教えてあげます。
まさか教えた言葉が後に悲劇をもたらすとは思いもしないで・・・
木の実を取りにいった3匹はティラノサウルスと同じ言葉を話すアルバートサウルスを見つけ、友達だと思って、覚えた言葉で話しかけるのですが・・・
「ことばが つうじなくても
こころがつうじあううことのほうが、
どんなに ステキで たいせつだってこと、
おまえたちに おしえてもらったよ
ありがとう」
ティラノサウルスのこの言葉の重みが胸にずしんと響きます。
最後にホマロケファレの言った
「スマイテ、シイアヲ タナアハシタワ」
は分かりませんでしたが、ティラノサウルスはこう感じたのです。
「わたしは あなたを あいしています」
言葉を越えた心のつながり。
言葉が通じなくても心が通じ合うことの素敵さ、大切さ。
絵本を通じて伝わってきます。
是非お子さんに読んであげて欲しいです。読んでる大人のほうがグッと来て、目に光るものが出ちゃうかもしれません。
そういう姿を子供に見せるのもいいんじゃないかなぁなんて思います。
絵本を通じていろいろなふれあいを楽しんでください。
posted by ブドリ at 22:00
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絵本の森 宮西達也
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