昨日、寝る前にパソコンに保存してあるTEXTファイルを適当に開いては閉じ、いらないものは削除なんてことをしていていつ保存したのかもわからず誰の文章だったかもわからない文章を発見。それが「ひとりぼっちのきみへ」。
調べてみたらこの文章はR25というフリーペーパーに石田衣良さんが連載しているエッセイの一文でした。
ホントにいつ保存したのか記憶が全くないんですけど、なぜか孤独感を感じている時にこういう文章に出逢うのですね。
人と衝突したり、人間関係に疲れた夢を見たりしている方もいるでしょう。
慌ただしい師走を迎える前に、ちょっと気持ちを落ち着けて貰いたいという思いと、エールを込めて(ホントは自戒の意味で)紹介することにしました。
全文を載せたかったのですが著作権に抵触してしまいますので一部抜粋で紹介します。
「ひとりぼっちのきみへ」
きみは毎日いそがしく仕事に追われ暮らしている。
上司や同僚にはきちんと気をつかい、職場ではほがらかな態度を崩さない。
のみ会の誘いはあまり断ると角が立つので、半分くらい参加する。
年に数回しか会えないが、学生時代からの友人も片手であまるほどいる。
ガールフレンドはいたり、いなかったり。
異性にもてるというほどでもないが、まるで縁がないわけではない。
なにが不自由ということもないし、きっとそこそこ幸福な人生なのだときみは思っている。
ぼくの見るところ、多くの若い日本人はそんなふうに日々をすごしている。
それなのに、なぜかきみはひとりぼっちなのだ。
それもときに身を切るようなつらさで孤独感におちいることがある。
きみは周囲の人々や職場の慣習にあわせて、自分をきゅうくつに折りたたみ生きている。
自分の色を消して、組織のなかに溶けこもうとしているのだ。
(中略)
ぼくがきみに期待するのは、この共感と想像の力なのだ。
誰にも理解されずにひとりぼっちだなんて思いこんでいないで、自分のほうから他者を理解する気もちを聞いてみよう。
心をつなげるための力を育ててみよう。
もちろん完全に理解することなどできないかもしれない。
ぼくたちは自分自身のことさえ、いつだってわからなかったりするのだから。
でも、ときには驚くほど誰かと気もちがつうじることだってあるかもしれない。
そしてそれはとても素晴らしい瞬間なのだ。
最後にひとつ、きみはあまり無理をして、人とおなじようにしないほうがいい。
きみはきみらしく、ゆっくりとすすむ。
ただし、ひとりぼっちだと嘆きながらではなく。
自分の速度で。
全文を読みたい方は次をクリックすると表示されるサイトのどこかに全文が載っていますのでご覧下さい。
"ひとりぼっちのきみへ"
また、R25に連載された石田衣良さんのエッセーが本になり「空は、今日も、青いか?
」として出版されていますので、興味のある方はこちらもお読み下さい。
この文章も載っています。